水登社の歩み
水登社の創業者である平井登には少年時代からの2つの夢がありました。
1つ目は「自分の手で船を作りたい」という夢。2つ目は「独立して自分で事業を興したい」という夢。
まず1つ目の夢を叶えるために、学校卒業後は造船会社に入社しました。
そこで担当したのが大型船舶用のパイプ溶接加工の仕事。
自分の大好きな船づくりに関われる喜びを噛みしめながら、無我夢中で仕事をし、技術を磨いていきました。
そして、自身の技術にも自信がつき、2つ目の夢に挑戦するため、1938年に平井工作所を創業。
船舶や水道などの配管から事業をスタート。
水登社は、それ以来パイプのプロとして80年以上の歴史を刻んできました。
創業
1938
創業から戦禍・苦難を乗り越え
原点を確立
1938年に、平井登が3人の職人と共に神戸市長田区神楽町に「平井工作所」を創業しました。大型船舶用のパイプ・配管仕事を請負い順風満帆のスタートをきった矢先に2年もの間、日中戦争に出兵することになりますが、復員後は、明治男の職人気質で、利に走らず仕事にだけ強い誇りを抱き日々仕事に励み、幾多の苦難を乗り越えます。
そして1951年、当時神戸市から受注した上下水道用設備の配管の仕事に将来を託すという思いで、滝水に勢いよく登る鯉にちなんで命名した「合資会社水登社」を設立します。
業容の原点が築かれ、これを機に、さらなる成長への足がかりを掴むのです。
成長
1970
家業から企業への成長と
発展への布石
高度経済成長期の真っ只中、日本のものづくりは全盛期を迎え、この強い追い風を受けた水登社も、1971年に明石工場を増設。翌年には同工場内に本社ビルを建設し、本社機能を移転。1974年には八木工場を新設し、全面的に拠点を明石に移転することになりました。
そして40年以上続いていた構内請負作業を1980年に撤退し、自社工場での工場製作へとシフトさせました。また、同時期に新たに加西工場、1982年には明石第二工場を新設。その後、合資会社水登社の営業権を引き継ぐかたちで、株式会社水登社を設立し、名実ともにこれまでの「家業」を脱却し「企業」へと変貌を遂げた瞬間でした。
そして1984年、46年にわたって会社を牽引し続けた登のバトンを受けて良治が社長を引き継ぎました。円高不況により日本経済が大打撃をうけ経営を脅かす事態に陥ることもありましたが、社内改革にも取り組み、1988年には設計部門を分離独立させ、初の子会社「株式会社水登エンジニアリング」を設立するなど、新しい水登社への布石をうっていきました。
変革
1990
技能集団から技術立社へ
1990年には、顧客からのコストダウンの要請に応えるべく、製作を担う明石工場と酸洗塗装を担う八木工場を集約し、二見工場を新設。一貫した生産ラインを完成させました。同時に管理体制の見直しにも着手し、財務の改善と合わせて現場にコスト意識の徹底を図りました。また1998年には世界市場を睨み、製品品質を保証する厳格な国際規格ISO9002を取得。水登グループは技能集団から技術立社への階段を一気に駆けあがっていきました。
そして、2002年には中国江蘇省無錫市に「無錫水登機械有限公司」を設立しグローバル化への一歩を踏み出しました。その後も2006年には稲美工場を、2007年にはJIT(ジャストインタイム)生産に対応するために明石物流センターを、2008年には神戸工場を新設。生産体制だけでなく、管理体制の強化につながる組織を構築していきました。
発展
2010
グローバル企業への進化
2010年には、無錫水登機械有限公司(WSM)に続く、中国2ヵ所目の生産拠点、水登液圧管件(常州)有限公司(STC)が稼働。2011年には設計会社、無錫水登液圧開発設計有限公司(SRD)を設立しました。そして、2014年には国内に神戸第2工場を新設し、日中2極体制のさらなる強化がなされました。
また、新たな取組みとして2012年に道路メンテナンス会社、株式会社ダイセイ(現:株式会社NEO DAISEI)をグループ傘下とし、異業種分野への参入を果たします。水登グループが次なる発展ステージへステップアップを図るために、会社の成長に必要なもう一つの柱を構築するための決断でした。現在に息づく、リスクに左右されない強じんな企業体構築へのスタートは、ここから始まりました。
Road to 100th
活躍のステージが広がる
社会の創造に向けて
2017年には、ISO14001に切替を完了し、2018年にはフィリピンにSuitou Philippines,Inc.を設立しました。中国に加え新たにフィリピンにも生産拠点を築き、世界の大手メーカーと取引を広げ世界的企業への成長を加速させました。2019年には非量産事業を株式会社セックへと移管し、建設機械向けに量産部品の設計・製造・組立を行う水登社、プラント設備をはじめとする一品一様の製品の設計・製造・組立を行うセックと役割を分担しながら大手建機会社・重電プラントメーカーからの仕事をうけてます。また、航空機リース事業にも進出し、それぞれの事業がバランスよく収益を構成する強じんな企業体づくりに取り組み続け、目下100年企業を目指し、邁進しています。